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はじめてしましたすいません。
赤タカ「転生」「現代」の連載的なかんじです。
*赤タカというのはmainの金髪タカ丸さんと比較して、
 性悪度鬼畜度遊び人度などを上昇させた攻め赤髪タカ丸のことです。
*今回の話をよむにあたってめもろぐの「赤」のろぐを読んでください。

いろいろと苦手な方がいらっしゃるような設定ですいません。
しかもこの1話目から「死ネタ」含みます。
リアルな描写はありませんが、苦手なお人はご注意願います。
ええっと…暗くても最終的に幸せっぽくなるんなら許すよ!という、
グレイトなハートのお方は以下からどうぞです。すいません。
赤タカ連載という名ですがどちらかというと久々知先輩よりの話になりそうな気がしないでもないかもしれなんですが…お気になさらず!





目覚ましの音よりも早く、俺は目を覚ました。
朝の光が差す天井は本来白いはずなのに、俺の視界には赤がちらつく。
ベットの上に身体を起こすとひどい寝汗でシャツが纏わり付いて鬱陶しいし、
呼吸も苦しくて心臓はどくどくと早すぎるリズムで脈打っていた。


(…また、あの、)


夢を見た。
不定期に見る、同じ夢だ。
前は週に一度ほどだったのが最近は2日に一回、ほぼ毎日。
…増加の理由など知っているが、考えたくもない。





夢は俺の最後の記憶だった。
その夢はひどく毒々しい赤が視野を覆い、
そして、か弱いあの男の声がするのだ。


『久々知先輩、ねえ、兵助、』


話すなと言うのに、この男は俺の言うことになど耳をかさない。
いつだって勝手で我が儘で理不尽なこの男らしいといえばらしい。
あいつはただ、いつもと同じような声で、俺の名前を呼んだ。
卒業してからも忍務中は「先輩」呼びを命じていたのに、
それなのに、俺の名前を呼びやがった。
いつもならしかりつけるところだったのに、
あの時の俺はあの男のあの赤い髪に顔を埋めて、
泣き叫ぶのを堪えるのにただただ必死だった。


『兵助、泣かないで、聞いて』


なにが泣くなだ。
無理を言うな、馬鹿じゃないか。
俺が堪えきれずに嗚咽をもらすと、
あいつは呆れたようにくすりと笑って、
もうろくに動かないはずの手で俺の前髪に触れた。


『あなたは、生きて』


血ぬれた指が髪を撫でて思わず顔をあげると、
あいつはいつものように唇と目に性悪な笑みを滲ませていた。

ほんとう、意地が悪い。
どうして後を追わせてくれない。
どうしてお前とともに在らせてくれない。
お前の刺したその刃で共に死んでしまいたかった。
なのにその声に命じられて俺が逆らえないのを知っていて、この性悪め。


『好きだった、愛してた、ありがとう、…あと、は?』
「あ、れだけ散々、人にひどいことしておい、て、謝りもなしか、馬鹿」
『あは、好きだったくせ、に……でも、ごめ、ん』


抱きかかえた身体がだんだん冷たくなっていく。
笑みが、声が、消えていく。
静かになっていく息が悲しかった。
ああもう、終わってしまうと思って、堪えられなくなった。
俺は血色の髪に顔を埋めて泣いた。


『兵助…、』





「…タカ丸」


きっとあのあと、俺はお前の言葉のせいで生き続けただろう。
けどきっと屍と変わらなかったはずだ。
それから後の記憶はろくにない。
お前が呼んだ、俺の名前が俺の最期だったんだ。


頬を伝う涙をぬぐい、俺はいつも通り、変わらない朝の準備をはじめる。
何百年もたったいまでも、お前は未だ、俺を泣かせ続ける。
十分知っていたけどほんとうに最低な男だよ、お前。















***
赤タカ現代連載初っぱなから死ネタですいませんでした。
金タカ夫婦がアレな感じなので、
真逆に走って赤タカくくは重く重くがモットーです。
どれくらい続くか私自身分からないんですが(エー)
おつきあいいただけるとありがたいです…
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