「くっそ……こいつ寝やがったな畜生…」
いつのまにか嗚咽と泣き声は寝息に変わっていた。
そのくせ、服を掴んだまま離さない。
三郎は思わず息を荒々しく吐き出した。
馬乗り状態かつ微妙に腰をかがめている体勢というのは、地味に疲れる。
「いい加減腕きっつ…!離せよてめぇコノヤロウ!」
「っ……ふぇ、…」
「(ビックー!!)な、ななんだよああもう!!」
「……くー……、ふー……zzZ」
「どんだけ自由だお前…!くそっ!」
毒づいたとて、まだ華奢な指は服をぎゅっと掴んで離さない。
頼りなさげな大きいだけの手のくせに、縋る力はどこか必死で、寂しげで。
「…相手間違えてるだろ、阿呆」
目の前のむかつく位に安らかに眠る顔には似合わない涙痕を指先で拭い、
でかい図体のくせにガキみたいにしがみついてくるいい年した男に、
三郎は呆れたように力いっぱいため息をついた。
(その気になれば服を掴む手を無理やり解かせることだって、
できたのだけど…、できたのだけど!)
***
マジ泣きされると困る鉢屋だといい(笑)
このあと横向きにごろんてなって向かい合って寝るんですけど、
面倒なので書かないっていう…でもすごい鉢タカフラグ的ですよね…
主に私向けの需要なので妄想してひとりで補給します。
身も蓋もないが恋愛じゃないけど友情でもないタカ丸と鉢屋だとイイです…
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