最近、胃痛が酷いんです。
原因はまあ身に覚えが、ありすぎるほどあるんですが。
「ねぇ兵助くん兵助くん!
さっきくの一の女の子に聞いたんだけど、
今月天秤座と魚座の相性最高なんだってっ!」
「へぇ、つーか暑いから抱きつくな」
「だから明日デートしよー!」
「関係ないし!人の話聞けよ!」
その原因は委員会の最中だというのに自重しない人たち。主に金髪。
べたべたと抱きつかれるのを拒む理由が人目を気にしてではなく、
あくまで自分本意だというあたり久々知先輩もどうなんだ。
この人たちの近くにいると、雰囲気とか会話にあてられる。
ああまた胃の奥が痛み、むかむかしてきた。
「…せんぱ、」
「まーまー」
べたべたするなと言ってやろうと口を開くと、ちょいちょいと裾を引かれた。
振り返ると苦笑した伊助が俺を見上げていた。
「なに言っても無駄だと思いますよ、諦めましょ」
「でも流石にウザ…目に余るだろう」
「それは…そうですけど」
否定はできまい。
伊助は久々知先輩に後ろから抱きつくタカ丸さんを見て困ったように笑う。
「あのばっ…タカ丸さんさっさと仕事しろよ…!」
「でもタカ丸さんばっかりじゃないみたいですよ。
あの人たちはタカくくタカだからって」
「……誰がそれを」
「庄左ヱ門です。で、庄左ヱ門は鉢屋先輩から」
伊助はよく意味は分からないんですけど久々知先輩もタカ丸さんが大好きなんですよ、と笑う。
あの人もほんと、いい加減にしてほしい。
風紀を取り締まるはずの学級委員のあんたらがそんなだから、
不純同姓交流が深まるんだ。
俺は何度目かもわからないため息をついた。
「まあでもウザ…目に余るのは主にタカ丸さんだから…」
「けど分からないですよ。案外久々知先輩って天然だから意外といちゃい…」
「つーかまたくの一教室いってたのかよ!」
「わ、ちょっ兵助くん!」
「煽ったの誰だ?」
「ちが、ってゆうか兵助くん昨日も…あッ!」
「………胃が痛い」
「…僕もです。土井先生に胃薬貰いに行きましょう」
「それ効果無くないか…?先生日々悪化してるだろ」
「あいたたたたた」
***
三郎次カップリングとか意味知ってるんだとか言わない。
伊助ちゃんはあんまり行き過ぎないと笑って見過ごせます。大人!
三郎次はツッコミたくて仕方ない。
嫌いとかじゃないけど至極ウザイと思ってる。
こんな三郎次が2年後にはタカ丸に惚れているというのはどういうことだ…
鉢屋は委員会でよろしくない知識を後輩たちに植え込むのが趣味そう(悪土井)
庄ちゃんはとても将来有望だと思いますよ!
鉢屋の技術・やり方・裏情報なんかを引き継ぎ、持ち前の冷静さも兼ね備え…
まさにいろんな意味で最強の学級委員になるに違いないと信じてやみません。
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